「偶然から注目を集める大切さ」

先日、議会活性化特別委員会の研修で三重県伊賀市に向かうその道中で、奈良県「山添村」を通り過ぎました。子どもの頃から、姓と同じということで、この「山添村」には思い入れがあり地図帳を広げては赤ペンでマークをつけて遊んでいたりしていました。
皆さんにも、そんな偶然から生じる「つながり」を感じたことがあるのではないでしょうか。以下、関連記事のご紹介です。

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震災関連のニュースの中で、こんな記事が目につきました。

東日本大震災の津波で被害を受けた岩手県山田町を支援しようと、同県出身の女性が、「山田」姓の人たちに寄付の呼びかけを始めた。全国に80万人以上いるとされる「山田さん」から月1000円の寄付を募り、街路灯の復旧や地元企業への無利子融資などに役立てる計画だ。
http://www.yomiuri.co.jp/national/news/20110625-OYT1T00402.htm

とてもユニークですが、大切な活動だと思います。
例えば今回被災した地方自治体の中には、山田町の他にも、野田村や滝沢村(岩手県)、村田町(宮城県)といった、名字としても一般的な名前を持った地方があります。
こうしたささやかな「つながり」がちょっとした思い入れになって、もうひとつのふるさとづくりに連なれば、それは単純な復興ではなくわたしたちが潜在住民とよんでいるような、地域活性化の鍵になるかもしれません。

また、こうした「同じ名前」から実際につながっている(つながっていた)地方自治体というのもすでにあります。
例えば、宮城県の大和町は同じく「大和」という名を自治体名に持つ市町村と「まほろば連邦」という交流事業をやっていたことがあります(1988〜2004年)。平成の大合併で多くの自治体が廃止になることで解散した交流事業ではありますが、こうしたつながりによって地方自治体同士が、国を通さずに直接交流することの意義は、こうした緊急時において必要になっているのではないでしょうか。
同様に、藤沢町(岩手県)や川崎町(宮城県)など、全国に同じ名前がある被災自治体は複数あります。
地方が地方に手をさしのべるというのは、全国的な地方自治体の財源不足も相まって、どこか画に描いた餅のように見えるかも知れません。ただもちろん、必要なのは金銭的な援助だけではありません。

金銭、物資、人的リソースに限らず、市民の目を被災地に向けて注目を絶えず活性化すること。震災から3か月が過ぎて、改めてこの被災地への「注目の活性化」が重要になってきていると私は感じます。そのためにはこうした「同じ名前」といったちょっとした偶然もまた、大切なきっかけになると思うのです。

(合同会社プブリカのホームページより抜粋:http://publica.jp/